ピロリ菌検査・除菌
ピロリ菌とは
ピロリ菌とは、胃の粘膜にすみつく菌で、胃・十二指腸などの病気の原因になります。感染初期は炎症を起こしますが、この時点では自覚症状はほとんどありません。感染範囲が広がると、慢性胃炎となり、さらに胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどの病気を引き起こす恐れがあります。
通常の菌は、強い酸が含まれる胃液に耐えられず胃に生息することはできませんが、ピロリ菌は自身の周りにアルカリ性のバリアを作ることで胃の中でも生き延びることができるようになります。そのため1度感染すると、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。
保険が適用されるようになりました
2013年2月22日より、ピロリ菌検査・除菌の保険適用範囲が広がりました。
- 内視鏡検査または造影検査において、胃潰瘍または十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者
- 胃MALTリンパ腫の患者
- 特発性血小板減少性紫斑病の患者
- 早期胃がんに対する内視鏡的治療後の患者
- 内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者
5番の項目が、新たに設けられた項目です。
上記に当てはまる方は、ピロリ菌感染の検査、さらに検査で感染が認められた方に対しては除菌治療も保険適用となります。
当院では、内視鏡検査を行っております。病気の早期発見のため、1年に1度は検査を受けることをお勧めします。
検査方法
当院では、下記3つの方法を用いてピロリ菌に感染しているかどうかを調べます。1つだけではなく、複数の検査を用いることで、より正確に判定ができます。
内視鏡により採取した胃の組織を用いて培養し、ピロリ菌が増えるかどうかを調べる方法です。
血液や尿を採取して、ピロリ菌に対する抗体の有無を検査することで、ピロリ菌に感染しているかどうかを調べる方法です。
検査用のお薬を飲み、一定時間経過後、吐き出された息を調べて、ピロリ菌に感染しているかどうかを調べる方法です。
除菌治療
除菌治療は、1日2回、1週間続けて薬を服用していただきます。その後、3か月ほど経過してから、除菌が成功しているかどうかの検査を行っております。ピロリ菌の除菌に成功していれば治療は終了ですが、その後も定期的な内視鏡検査は必要です。除菌が上手くいかなかった場合は、再度1週間かけて薬を服用していただきます。
除菌の成功率は、1回目の治療で75%、2回目の治療では95%を超えます。但し、1度でも薬を飲み忘れると、成功率は格段に下がります。期間中は必ず薬を服用しましょう。